活字迷走覚え書き

読書感想文

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『てとろどときしん』黒川博行著/講談社文庫

夕べから胃が痛いです。
気持ち悪さもトッピングされた痛みです。
これが噂に聞くところによる「胃潰瘍」というものでしょうか。
いや、ただ単に最近の不摂生がたたっているだけのはずです。

昨日からちょびちょびと読んでいた黒川博行さんの『てとろどときしん』をさっき読み終えました。

大阪府警・捜査一課の刑事さんが活躍する六編から成る短編集です。
黒川さんファンにはおなじみの「黒マメ」コンビも登場してます。

『てとろどときしん』ってなんだろうと思っていたのですが、フグの毒のことなんですね。
「テトロドトキシン」とカタカナで書いてあれば薬品ぽいのに、ひらがなだと一体何なのか想像が付かなくなります。

「てとろど」と「きしん」

と区切ってみたりしていた私の努力は全くの無駄であったようです。

「てとろど」ってなんだよ、「きしん」ってなんだよってつっこまれても文句も言えません。
でも「てとろど」はともかく「きしん」はなんか意味がありそうなので辞書で引いてみました。

「帰心」…帰りたいと思う心。
「寄進」…神仏に財物を寄附すること。
「貴紳」…身分と品格の高い紳士。
「忌辰」…死者の祥月命日。忌日。
(角川新国語辞典)

「てとろどと帰心」、「てとろどと寄進」、「てとろどと貴紳」、「てとろどと忌辰」。
意外とどれも様になる。と思うのは私だけか。私だけなのくわっ。

まぁ以上のようにタイトルだけでも色々遊べる作品ですが、「テトロドトキシン」を最初からご存知の方にはこういう楽しみ方はできないかもしれません。くっくっくっ。自分の博学を呪うがよい。

もちろん中身もタイトルと同様に楽しめました。
私は「黒マメ」コンビのボケとツッコミを駆使した会話が好きです。
こんな風にポンポン話ができたらさぞや気持ちよかろうと口下手な自分は憧れてしまうのであります。

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  1. 2005/08/21(日) 16:20:25|
  2. 作者:カ行

『ともだち』樋口有介著/中公文庫


私は本屋で本を選ぶとき、タイトルや表紙に惹かれて手にとることが多いです。 手に取る事は取ったけど、あらすじ又は冒頭を読んで「こりゃ私には読めない」と再び棚に戻す本もまた多いです。
年中懐に隙間風吹かせてるんで、無駄遣いはできないんです。本に対して「無駄遣い」とか言いたくないんですけど。そうですねぇ、言い換えるなら「私よりあなた(棚に戻した本)にふさわしい人がいつか現れるはずよオホホ」。といったところでしょうか。ちと違うか。

まぁそれはともかく。『ともだち』はそうした取捨選択の中、棚に戻さなかった本です。 今これを書いていて、『ともだち』購入の決め手ははなんだったのだろうかとふと 思いました。そこで読み終えた本を片手にしばし記憶の糸を手繰りよせていた所、 もの忘れのひどい私にしては覚えておりました、購入の決め手。この本はあらすじを 読んで買おうと思ったのです。(まんまじゃないか。)
細かい事を言いますと、あらすじの 中の「さやか(主役)は、どこかひにくれた転校生間宮とともに、犯人探しを始める。」と いう一文、さらに細かく言わせてもらうなら「ひにくれた転校生」という部分に激しく心 ひかれたようなのです。
現実に目の前にひにくれた人間がいたら非常にうっとうしいのですが、 本の中に登場するひにくれた人は結構すきなようです、私。そして「ひにくれた」だけでも 十分魅力的だというのに、「転校生」というおいしいオマケがついています。ときめきです。
でも実際読んでみますと、あまりひにくれてませんでした、間宮君。ひにくれているというより 捕らえどころがない感じの子でした。それはそれで好きなタイプではあります。だから別に不満 はありませんけどね。別に。

さて、少しは本の感想を。 主人公のさやかさんが同級生を殺した犯人を探す、というのが大筋です。実はさやかさん、殺された子に対して 淡い恋心めいたものを抱いていたようです。さやかさんが殺された子を悼んで涙する場面では、一緒になって泣けてしまいました。 犯人の目星は初期段階でつくと思います。最初に「あやしい」と思った人が犯人で間違いないかと。 犯人当てがまったくダメな私でもわかりましたから。
ところで、本を読んでいるとこう薄らぼんやりと登場人物 のイメージを頭の中に浮かべるじゃないですか。私はこの犯人のイメージが某吉本○業のフ○ヤマ マサ○ルの物まねをされる方とダブってしょうがなかったのです。私の中でピッタリはまってしまった イメージは、主役のさやかさんにこの人が追い込まれるクライマックスまで崩れることはありませんでした。 映像化される時は犯人役をぜひこの芸人さんにやって欲しいです。

<イメージ図: p183 御子神さやか>
  1. 2005/08/06(土) 19:37:14|
  2. 作者:ハ行

『粗忽拳銃』竹内真著/集英社文庫



人間そこそこの年数生きていれば、一度くらい自分はこのままで良いのだろうかと疑問をもった事があると思います。

自分の人生は間違っていないだろうか。もっと他にすることがあるのではないだろうか。実はとんでもない才能を持っているのに気付いていないのではないだろうか。拳を固めて空に勢いよく振り上げたら何かに変身できるのではないだろうか。何の疑問も抱かずに使い続けたこの学習机、実は引き出しにネコガタロボットが潜んでいるんじゃないだろうか。なんて悩んだこともあるのではないでしょうか。ないですか。そうですか。

でも、まぁ、自分の立ち位置に漠然とした不安のようなものを覚えたことくらいはあると思うのですが、いかがでしょう。私はあるのです。しょっちゅう未来に対する不安と格闘しています。果たして年金はもらえるのくわっ!?とか。飛び過ぎか。

本作の主人公たちは、そんな人生のターニングポイントに立った若者四人です。
落語家の卵・流々亭天馬は入門五年を向かえ二つ目に昇進できるかどうかの瀬戸際。見習いライターの高杉可奈は、フリーライターの個人事務所で雑務をこなしながら修行中。貧乏役者の三川広介は、実家の酒屋を継がされる前のラストチャンスとして舞台オーディションに挑み、時村和也は自主映画監督しての実績を重ねつつ、映画というメディアの更なる高みを目指しています。

ストーリーはこの四人が偶然ホンモノの拳銃を手に入れることから転がりだします。
銃のもともとの持ち主である危ない稼業の方々と銃マニア、両方から狙われる事になる四人。彼らはこの窮地を逆手に取り、とある策を練ります。行き当たりばったり、本人たちもどう転がるか予測できない「銃ゲーム」。最後に笑うのは果たして誰だっ!? と煽ってみたり。

銃を巡るドタバタに目が行きがちですが、メインは四人の心的成長だと思います。この騒動を軸にして、四人が迷いを振り切り、新たに出発するまでがさわやかに描かれています。

読了後、私もいっちょ頑張るか、といった気持ちになる事請け合いです。たぶん。(←弱気)

<イメージ図: p214 流々亭天馬(りゅうりゅうていてんま)>
  1. 2005/08/04(木) 23:07:16|
  2. 作者:タ行
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