○一言感想○
「病院行きたくなくなる」
五十嵐 貴久
幻冬舎 (2006/04)
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病院嫌いでして。ほんと嫌いでして。
ごくたまに行くと、「あなたの行きつけ(?)の病院」みたいなこと書かされるんで困ります。
ワタクシはいつでもどこでも一見患者だっ!
これって「特にナシ」って書いても構わないんでしょうかねぇ。
さて、『交渉人』です。
『1985年の奇跡』とはまたガラリと雰囲気の違った作品。
コンビニ強盗の末、夜間の病院に立てこもった三人の男。
犯人と交渉し人質を救い出すために動き出す警視正・石田とそのかつての教え子・遠野。
ネゴシエーターとしての手腕を余すことなく奮い、石田は犯人との交渉をスムーズに重ねていく。
そして「人質と交換に自分達を見逃せ」という犯人たちの要求をのんだことで無事解放され始める人質たち。
しかし無事解決するかと思われた事件は、病院内で二人の人質の死体が発見され犯人に連れ去られた看護士までも殺害されたことから思わぬ展開をみせることになる。
平たく感想を述べるならば、「豪華な二時間サスペンスドラマ」みたいな感じでした。放送開始30周年記念の作品として力入れました、みたいな。
そうなると看護士にカタヒラさん、ベテラン刑事にフナコシさん、病院の掃除のおばちゃんにイチハラさんを配置すれば、ここにサスペンス界最強の布陣が完成するのだっ! ミステリーサークルだっ! バミューダトライアングルだっ! 「もう寝よう」と思っててもつい見ちゃって夜更かしだっ! ふふふ。なんの話だっ!
ワタクシは結構ミステリー系の話が好きなものですから、この作品読んでてどうにも「あやしい」と感じる人物がおりまして。結局その「あやしい」と睨んだ人がやっぱりあやしかったんですよ。
まったく系統は違いますが
『1985年の奇跡』を読んでたからわかったんじゃないかとも思うんですけどね。あやしい人物の描写の仕方というか取り扱いというかポジショニングといいましょうか。
ちなみに事件を起こした動機についてもめずらしことに想像が当たってました。
ワタクシがわかるということは大抵の方がわかるはずですので、このわかりやすさも含めて「二時間サスペンス」っぽいと思った次第であります。
でも残念ながらクライマックスは崖ではありませんでした。病院の屋上でもなかったね。
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- 2007/07/08(日) 09:11:50|
- 作者:ア行
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