活字迷走覚え書き

読書感想文

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『暗い宿』 有栖川有栖著/角川文庫

アリスヒムラ

私は旅に出ることがあまりありません。出不精であるという心的要因に加え、貧乏であるという物理的欠陥も備え持っているからです。貧乏ゆえに出不精。出不精な上に貧乏。どうとでも言ってください。あ、涙が…。

そういうわけで(どういうわけ?)、私は旅モノの本も好きです。家にいながら、家の中でも主に布団の上にいながらでも他の世界を味わえますからね。

『暗い宿』はそんな出不精の私にぴったりな、旅、そして宿をテーマにしたミステリー小説でした。

表題作「暗い宿」、そして「ホテル・ラフレシア」「異形の客」「201号室の災厄」の四作からなる短編集で、有栖川有栖ファンにはおなじみの「火村&有栖川シリーズ」でございます。

えー、まずは表題作「暗い宿」。
よせばいいのに廃線めぐりに出掛けた有栖川センセイ。道には迷わなかったものの、体調を崩した上に日も暮れてしまいます。家に帰るのが面倒になったセンセイ、古い民宿を見つけて泊めてもらうことにしました。布団に横になり夢と現実の間をゆらゆらしている意識の中、センセイは土を掘るような音を聞きます。後日、センセイは、その民宿の床下から人骨が掘り起こされたという新聞記事を読んでびっくり。火村さん(の皮をかぶったドラエもんともいう。私の中で。)とともに再び暗い宿に向かう事に…。

二話目「ホテル・ラフレシア」。
ホテルの企画「ミステリーツアー」に参加することになった有栖川センセイ。今回は最初から火村さんが一緒よ(ハートマークは自主規制)。順調に謎を解きながら企画を楽しんでいたところ、センセイはホテルのビーチで無理心中を図ろうとしていた男に出くわします。彼から自殺に至るまでの経緯と、結局自殺の必要が無くなったという事情を聞いたものの、男の話にどこか釈然としない思いを抱くセンセイ&火村さん。そして翌朝、二人は思わぬ真実に気持ちを重くするのでした…。

三話目「異形の客」。
小説家らしく温泉宿に泊まっちゃう有栖川センセイ。宿泊した宿で、身体を包帯でぐるぐる巻きにし、サングラスをかけた透明人間のような姿の客を見て仰天します。なんでも宿の離れに泊まっている客だという事で、その風貌と合わせて少なからず興味を覚えるセンセイ。ところが翌朝、離れからその客の遺体が発見され宿は大騒ぎ。なにはともあれ、火村さん出動。笑。

四話目「201号室の災厄」
不幸な事に殺人の現場を目撃し、犯人と思われる男にホテルの一室に閉じ込められる火村さん。男はアメリカのロックミュージシャン、ミルトン・ハース。彼の部屋には首を閉められた女の死体が転がっています。しかしミルトンは「自分は殺していない」の一点張り。そこで火村さんは彼との会話から新たな犯人を割り出していくのですが…。果たして真犯人を突き止め、無事ミルトンの束縛(笑)から解放されることができるのでしょうか?

以上四作中、ワタクシの一番のお気に入りは「201号室の災厄」です。
私が今まで読んだ事がないだけかもしれませんが、めずらしく火村さん視点なんです。
いつもは有栖川センセイ視点でしか描かれていませんから、火村さんの内情っていまいち掴めないのですよね。で、今回火村さんの新たな一面が垣間見えたというか。意外とタフだったのねというか。ただ単に惚れ直したというか。
特殊なフィルターをお持ちの乙女にはハラハラドキドキの描写が満載。とにかく、火村さんファンには読み逃がせない一作だと思われます。

<イメージ図:アリス&ヒムラ>

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  1. 2005/09/11(日) 13:57:12|
  2. 作者:ア行
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