活字迷走覚え書き

読書感想文

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『粗忽拳銃』竹内真著/集英社文庫



人間そこそこの年数生きていれば、一度くらい自分はこのままで良いのだろうかと疑問をもった事があると思います。

自分の人生は間違っていないだろうか。もっと他にすることがあるのではないだろうか。実はとんでもない才能を持っているのに気付いていないのではないだろうか。拳を固めて空に勢いよく振り上げたら何かに変身できるのではないだろうか。何の疑問も抱かずに使い続けたこの学習机、実は引き出しにネコガタロボットが潜んでいるんじゃないだろうか。なんて悩んだこともあるのではないでしょうか。ないですか。そうですか。

でも、まぁ、自分の立ち位置に漠然とした不安のようなものを覚えたことくらいはあると思うのですが、いかがでしょう。私はあるのです。しょっちゅう未来に対する不安と格闘しています。果たして年金はもらえるのくわっ!?とか。飛び過ぎか。

本作の主人公たちは、そんな人生のターニングポイントに立った若者四人です。
落語家の卵・流々亭天馬は入門五年を向かえ二つ目に昇進できるかどうかの瀬戸際。見習いライターの高杉可奈は、フリーライターの個人事務所で雑務をこなしながら修行中。貧乏役者の三川広介は、実家の酒屋を継がされる前のラストチャンスとして舞台オーディションに挑み、時村和也は自主映画監督しての実績を重ねつつ、映画というメディアの更なる高みを目指しています。

ストーリーはこの四人が偶然ホンモノの拳銃を手に入れることから転がりだします。
銃のもともとの持ち主である危ない稼業の方々と銃マニア、両方から狙われる事になる四人。彼らはこの窮地を逆手に取り、とある策を練ります。行き当たりばったり、本人たちもどう転がるか予測できない「銃ゲーム」。最後に笑うのは果たして誰だっ!? と煽ってみたり。

銃を巡るドタバタに目が行きがちですが、メインは四人の心的成長だと思います。この騒動を軸にして、四人が迷いを振り切り、新たに出発するまでがさわやかに描かれています。

読了後、私もいっちょ頑張るか、といった気持ちになる事請け合いです。たぶん。(←弱気)

<イメージ図: p214 流々亭天馬(りゅうりゅうていてんま)>
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  1. 2005/08/04(木) 23:07:16|
  2. 作者:タ行
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